ノーミソ刺激ノート

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小説は意味が無い

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意味がない無意味

意味とは

  • せっかく本を読むんだったら実用書でしょう。
  • 小説なんて嘘を読んだって何の意味もない

そう思っている人は結構います。

 

小説を読むことに「意味」を求める傾向があります。

そもそも意味というのは

 

  • 自分で作る
  • 他人に作ってもらう

 

の2パターンしかありません。

意味が無いと思っている人は自分で意味を作ることが出来ないか、他人に意味を作ってもらうことを待っているヒヨコのようなものと一緒です。

 

とはいえ何をやるにしてもコスパ、効率化を求める世の中ですからね。当然の傾向だと思います。「コスパ」が流行っているのもビジネス書の影響でしょう。

 

ほとんどの人が意味なんて自分で作れません。

なにしろ、何で意味を求めるかといえば面倒だから

 

なんか知らないけど薦められる。国語の授業でも読まされるし、とりあえず点数を稼ぎたいから読むことは読むけど、結局、高校まで読んでも意味を感じたことが無いでしょう。

 

読んでみてもつまらないし、効果が感じられない、意味なんてないんじゃないかって疑問を思うのは誰でもあることかもしれません。

 

それは当然のことで、小説を読むということ自体に明確な意味はありません

 

意味を求めている人にはあえて「こうですよ」とそれなりに答えになっていそうなことを言うことをいうことはありますが、本来的に意味はありません。

 

小説を読む意味 - ノーミソ刺激ノート

 

↑以前そのことについて記事を書きました。

 

でも一方で小説を全く読んだことが無い、何も話ができないというのはカッコ悪くないですか。小説はもはや一種の教養なわけですよ。

 

それをまともに読んだことも無いのに「無意味だ」の一言で済ませてるって、あまりにも隙が無い感じになりませんかね。

 

逆にいえばそれは意味が無いからこそ絶大な効果があるということにもなります。

 

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意味のない文学

小説を学問的に扱うなら「文学」といいます。

文学というのは学問的には実用的、応用的な学問である実学の反対の「虚学」といって実用的な学問ではありません

 

人生に「実用」が無いなんて無意味だと思う人は読みたくないんですね。

 

じゃあその実用って何のために使われるんでしょうか。最終的な目的、「人生とはなんだ」ってなったらボウッとして掴みどころがないというのが実情でしょう。

 

一般的に言われているのは「幸せになるため」という言葉で誤魔化されることがありますけど、結局無いわけです。その無いものを「見出す」のが虚といってもいいかもしれません。

 

なのでそれだけ勉強しても収益を生み出すことは難しいんです。

理学エッセイ 第19回 「虚学の精神」 - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部

この記事にはこう書かれています。

 

虚学とは,実学の対極に位置する学問群の総称(=pure science)であり,理学や哲学,歴史学,地理学,人類学,宗教学等を志す研究者が自らの学問に誇りと自負とほんの少しの韜晦とをこめて使った呼称である。

虚学:文学、理学、数学、歴史学、地理学、哲学、宗教学など

実学:工学、医学、薬学、法学、教育学、経済学、など

 

【関連記事】 

実学と虚学の就職事情 - ノーミソ刺激ノート

 

大学で哲学を勉強するということ - ノーミソ刺激ノート

 

虚学の中に宗教学が含まれていますけど、作家の佐藤優氏は「神学(宗教学)こそ虚学で、神学からみたら他の学問は全部実学だ」というようなことを著作で書いていました。

 

神学の思考

神学の思考

 
神学の技法: キリスト教は役に立つ

神学の技法: キリスト教は役に立つ

 

宗教への拒否反応

オウム事件で宗教に拒絶反応が出ている日本人ですけど、宗教というのは考え方の根本の学問分野です。だからこそパワーがあって、そこに免疫のない人はコロっといってしまう。

 

考え方の根本という事はそこが変わってしまうとその人の価値観すべてが転換するくらいのことがあるわけです。

ですから免疫が無いと革命的な意識転換が起きてしまうんですね。

 

【関連記事】

オウムと宗教を嫌う日本人。 - ノーミソ刺激ノート

 

逆にいえばいい方向にもエネルギーが使えるということ。

「馬鹿と刃物は使いよう」といいますが宗教的な精神作用も使い様なわけです。

 

ですから「宗教怖い」と思って拒絶していると、いざ自分に宗教的な作用が起こった時に免疫が効かずにコロッといってしまうんですね。

 

オウムで東大出身のエリートがなんでイッてしまったかというのは、恐らく彼らが実用的な学問(物理学、医学など)を集中的にやっていたのと、当時の実益の飽和状態(バブル景気)が重なったというのも大きな要因ではないかと思っています。

 

時代的雰囲気と要請が重なって絶大な力が得られたのがオウムの例でしょう。

 

決して教祖がすごいというわけではなくて、いいも悪いも運しだいでそうなってしまった、というのが一つあるでしょう。

 

ですからそういう不幸から少しでも避けられるようになるために、少しずつでも「宗教って何か」という入門的な本を広い範囲で読んでいったほうがいいはず。

 

日本一やさしい天皇の講座 (SPA!BOOKS新書)

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日本人に知ってほしいイスラムのこと (祥伝社新書)

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別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した

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同志社大学神学部?私はいかに学び、考え、議論したか? (光文社新書)

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教養としての宗教入門 基礎から学べる信仰と文化 (中公新書)

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キンドルだったらさらっと読めるので、しっかり読むのではなく多くの本を時間をかけずに読むと、おおよそのことが分かって免疫がつくと思います。 

 

繰り返しますが小説を読んで「これに効果がある」というものはありません。

いうなれば漢方のようなもので日常服用し続けているとなんとなく効果を感じるという感じ。

 

一方実用書のようなものは効果が歴然としてますから効果が分かり易いです。

が、それ以外に活かせることは少ないんですね。

 

「読書は実用だけでいい」というならそうすればいいんです。

なぜなら今までで何を読んできたかというのがこれから生きる指針になるし、生き方に正解は無いのでそうすればいいでしょう。

 

虚(うつろ・きょ)なもの、目的が何か分からないようなものばかり読んでいては実際は問題が出てくるかもしれません。

 

そういう人は実際の利益を生み出す仕事ではあまり役に立つことが少ないかもしれません。が、広い視野で見れば役立つんですね。

 

読書は実用的なものも虚用的なものも両方必要だと思います。

どちらか一方だけ読んでいればいいということもあるかもしれませんが人生は色んな事が起こりうるので両方読めばいいでしょう。

 

何も利益を生み出すだけが人生じゃないんです。

ロボットじゃあるまいし。

 

ロボット化は案外進んでない。 - ノーミソ刺激ノート

 

しかし「~のために」と思って読むのもあんまり面白くないので、面白いと思えるものを探すしかありません。そのためにも乱読して探すほかないかも

 

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